当会について

ご挨拶


 このたび、腎と妊娠研究会事務局(埼玉医科大学総合医療センター腎高血圧内科:主任教授長谷川元先生)のご努力により、腎と妊娠研究会のホームページが開設されました。会員を代表して祝意を述べさせて頂きます。
 本研究会には初期の頃から参加させていただいた記憶はあるのですが、どのような経緯で設立されたか記憶が定かでないため、私の盟友の山崎峰夫先生(本研究会理事)に伺いました。山崎先生のお話によれば、当時筑波大学腎臓内科成田光陽教授と同大産婦人科岩崎寛和教授が内科医と産婦人科医が腎疾患合併妊娠について忌憚なく議論できるような場を持ちたいと考えられ、腎臓内科、産婦人科でそれぞれ同好の士を募り、設立されたようです。
 したがって、第1回腎と妊娠研究会は、1991年2月2日に筑波︎大学腎臓内︎科教授成田︎光陽教授と同大産婦人科岩崎寛和教授のお二人により東京の日本教育会館で開催されました。そのような設立時の想いを継承して、本研究会は今でも会場は常に1室で、腎臓内科医と産科医が同じフロアでディスカッションすることになっています。また、多くの研究会が学会となっている中で、本研究会は依然として研究会のままでいるのも、あくまでも腎疾患合併妊娠の母と子が安全に妊娠、分娩を迎えられるために忌憚なくディスカッションする同好の士の集まりとの精神を具現化する場として考えられているからだと推測します。しかし医学が指数関数的に進歩するようになると、会員が年に一度研究会の会場でしか集まれない、すなわち情報の交換の機会が少ないという問題点も生じるようになってきました。このような問題点を解決しつつ、腎臓内科医と産科医とが同好の士として同じフロアで忌憚のないディスカッションするという精神を維持してゆくためには、ホームページの開設は極めて重要であると思います。本ホームページ開設に八面六臂の大活躍をされた事務局長谷川教授に深謝すると共に、会員の先生方の協力を頂き、本ホームページがさらに充実され、会員間の情報共有、意見交換の場となることを祈念致します。



關 博之
研究会理事 第24回大会長(埼玉医科大学名誉教授)



 腎と妊娠研究会のホームページ開設、誠におめでとうございます。また、30年以上の長年に渡り、本研究会の継続発展に御尽力頂いた歴代の理事・幹事の方々、何よりもこのホームページの作成にお骨折り頂いた事務局の埼玉医科大学総合医療センター腎高血圧内科(長谷川元主任教授)に、一会員として改めて御礼申し上げます。
 生命の継承のために必須であり尊い現象である妊娠・出産は、様々な母体体内環境の変動を伴います。妊娠前は健常であった女性においても、妊娠高血圧症候群をはじめとする合併症が起こることがあり、特に腎臓は影響を受けやすい臓器なので、大量のたんぱく尿や腎機能低下に関して腎臓内科へコンサルトを頂く機会は少なくありません。また、腎疾患を持ちながらも挙児希望を持つ女性は多く、担当医としてどのような情報提供が適切なのか、あるいは妊娠の可能性を考慮した治療法の選択など、判断に迷う場面もあります。少子高齢化が進むわが国において、これらの問題に対するわが国のエビデンスは、重要性が増しているにもかかわらず、あまりにも不足しています。
 私自身は、腎と妊娠研究会には20年ほど前から参加していると記憶しております。本研究会は、学会とはやや異なるフランクな雰囲気の中で、産科医と腎臓内科医が同じ空間で議論をすることができる、大変貴重な場となっています。今後はコロナ禍終息後の対面型の研究会の充実とともに、本ホームページの活用を通じて会員間の意見交換と情報共有がさらに促進されることを期待しております。



成田 一衛
研究会理事 第27回大会長(新潟大学腎膠原病内科・教授)